薬草のようなアロマが特徴的な「カモミールジャーマン」の効能とは?精油やハーブティーの楽しみ方をご紹介

カモミールジャーマンとは一般的にカモミールと呼ばれているものの一種です。実はこのカモミールジャーマンにはさまざまな効果があるとされています。早速カモミールジャーマンの効能や使い方をご紹介します。

2019年02月19日更新

アロマ

高橋 美穂子 (アロマセラピスト)

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[1] カモミールジャーマンの効果や特徴

カモミールジャーマンはキク科の植物で、和名は「カミツレ」と言います。花にリンゴのような香りがあるため、「大地のリンゴ」という意味のギリシア語「カマイメーロン」がカモミールの語源とされています。ハーブティーとしてとても親しまれているカモミールジャーマンの効果や特徴などをご紹介します。

カモミールジャーマンの効果

カモミールジャーマンは安全で効果的なハーブとして、古くから民間薬として利用されていたそうです。今から4千年以上前のバビロニアですでに薬草として用いられていたと言われるほど古くからあり、ヨーロッパで最も歴史のある民間薬だそうです。

カモミールジャーマンには安眠・リラックス効果、女性特有の月経痛や頭痛などといった痛みの症状の緩和、肌の炎症を抑える効果などがあるとされています。

カモミールローマンとの違い

一般的にカモミールと呼ばれているものには、カモミールジャーマンとカモミールローマンの2種があります。カモミールジャーマンとカモミールローマンはどちらもキク科の植物で、成分や形態などに似ている部分もありますが、分類上の属は異なっている近縁種です。どちらも同じようにハーブとして使われてきました。

カモミールジャーマンは花の真ん中の黄色い部分がぷっくりと丸く膨らんでいるようになっていて、カモミールローマンの花と比べて花が小さいです。カモミールローマンの花はカモミールジャーマンよりも大きく、花の真ん中が平らになっています。

■カモミールローマン


出典 timeless-edition.com

■カモミールジャーマン

カモミールローマンの花から淹れたハーブティーには苦みがある点が、カモミールジャーマンとの大きな違いとされています。

[2] カモミールジャーマンの精油(エッセンシャルオイル)の使い方

カモミールジャーマンの精油は濃い青色をしています。これは精油に含まれる「アズレン(カマズレン)」と呼ばれる強い抗炎症成分によるものです。このアズレンは植物のカモミールジャーマンの中には存在せず、精油を作る過程で蒸留中に形成される成分です。

濃縮されたままの精油は薬草のような強いニオイがしますが、希釈するとフルーティーで甘いハーブ調の香りとなります。幅広い用途に用いられているカモミールジャーマンの精油の使い方をご紹介しますので、参考にしてみて下さい。

リラックス効果抜群の芳香浴

精油の使い方として一番オーソドックスな方法が芳香浴(アロマテラピー)です。アロマディフューザーに加えるだけで手軽にカモミールジャーマンの香りを楽しむことが出来るのでおすすめです。

カモミールジャーマンの精油には、緊張や心配などで高揚した気分を鎮静化させて落ち着かせる効果があるとされています。リラックス効果が期待出来るので、不眠などの解消にも繋がります。

疲れた時や就寝前などにカモミールジャーマンの芳香浴でリラックスしてみてはいかがでしょうか?

筋肉痛などの痛みを和らげるアロマバス

筋肉痛や関節の痛みなどがある場合には、カモミールジャーマンの精油を使ってアロマバスを楽しむのがおすすめです。方法も簡単で、お湯を張った浴槽に精油を数滴加えて、よく混ぜてから入浴するだけです。

カモミールジャーマンには筋肉の緊張を和らげる効果があるとされていますので、筋肉痛など痛みがある時には、心身ともに癒されるカモミールジャーマンのアロマバスにゆっくり浸かってみて下さい。また、血液の循環を促進する作用もあるので、冷え性改善の効果も期待できます。

乾燥や炎症に!スキンケア

カモミールジャーマンの精油はスキンケアにも使うことが出来ます。ホホバオイルやスイートアーモンドなどのキャリアオイル10mlにカモミールジャーマンの精油を1~2滴ほど混ぜてフェイスオイルとして利用することも出来ます。


シアバターやミツロウを使用すれば、手作りクリームとして利用することも出来ますよ。カモミールジャーマンの精油に含まれている「アズレン」には抗炎症作用があるとされていますので、ニキビなどの炎症にも効果が期待できます。

また、保湿効果や美白効果もあるとされていますので、嬉しい効果の多いカモミールジャーマンの精油はぜひスキンケアにも使いたい精油(エッセンシャルオイル)です。

[3] ハーブで楽しむカモミールジャーマン

カモミールジャーマンはハーブの一種ですから、もちろんハーブとして楽しむことも出来ます。

カモミールティー

カモミールジャーマンの用途として最も親しまれているのはカモミールティーではないでしょうか。カモミールジャーマンには鎮静効果やリラックス効果による不眠症の改善、消炎作用、便秘解消、月経痛の緩和、生理不順、美肌効果などさまざまな効果があるとされています。


カモミールの香りを楽しみながら、さまざまな効果も期待できるカモミールティーはおすすめです。カモミールジャーマンのドライハーブを使った、カモミールティーの淹れ方をご紹介します。

■カモミールティーの淹れ方

  1. ポットにドライハーブをスプーン山盛り一杯を入れ、熱湯をカップ1杯分注ぎます。
  2. ポットに蓋をして、3分~5分蒸らして待ちます。
  3. お湯が色づいたら、暖めておいたカップに注ぎます。

ドライハーブの他に、フレッシュなカモミールの花を使って淹れることも出来ます。市販されているティーパックのものを使えば、さらに手軽にカモミールティーを楽しむことが出来ます。

ハーブティーを飲みなれていない場合、飲みづらいと感じてしまうこともあります。そういった場合ははちみつを加えるなどアレンジすると飲みやすくなります。

サシェやポプリとして

カモミールジャーマンの花をそのままサシェやポプリとして使うこともできます。精油ほど香りは強くないので、穏やかな優しい香りを楽しむことが出来ます。ガーゼや薄い布で作った小さな袋の中に乾燥したカモミールを入れます。

枕元などに置くと、カモミールジャーマンのほのかな香りによってリラックスした状態で睡眠を取ることが出来ます。

自分で育てることも

カモミールジャーマンは繁殖力のある丈夫な植物なので、比較的簡単に自分で育てることもできます。4~5月ごろに開花しますので、自分で育てて、目でもカモミールジャーマンを楽しんでみるのも良いですね。

[4] カモミールジャーマンを使用する際の注意点

妊娠中の使用は6か月以降から

カモミールジャーマンには軽い通経作用があるとされています。生理の不調を和らげるのに役立ちますが、妊娠中は6か月以降から使用するようにしましょう。

キク科アレルギーがある方はご注意を

カモミールジャーマンはキク科の植物です。キク科アレルギーがある場合は使用しないように気を付けましょう。アレルギー反応であるアナフィラキシーショックを引き起こしてしまうこともあります。

[5] カモミールジャーマンで心も体もリラックス

カモミールジャーマンには安眠・リラックス効果、女性特有の月経痛や頭痛などといった痛みの症状の緩和、肌の炎症を抑える効果などがあるとされています。精油(エッセンシャルオイル)は芳香浴やアロマバス、スキンケアなどに使うことが出来ます。

ハーブはカモミールティーやポプリの他に、自分で育てて花を楽しむことも出来ます。自分に合ったカモミールジャーマンの楽しみ方を見つけて、心も体もリラックスしてみてはいかがでしょうか。

※アロマオイル(精油/エッセンシャルオイル)を使う際の注意点
アロマオイルは医薬品ではないため、「治療」できるものではありません。ここに掲載されている内容は精油の効果効能、心身の不調改善を保証するものではありません。予めご了承ください。症状がひどい場合は医療機関を受診することをおすすめいたします。実際にアロマの香りに癒されるという方はたくさんいます。自分の体の状態や気分に合わせて上手に取り入れてくださいね。

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